キャリアアドバイザーから従業員の少ない企業を紹介されたとき、「本当に大丈夫なのかな?」と不安に思った経験はありませんか。
確かに「従業員の少ない会社はやめとけ」という声を聞くこともありますが、実際には多くのメリットがあります。
特に未経験からエンジニア転職を目指す方にとって、従業員の少ない会社は早期のキャリアアップを実現できる穴場なのです。
今回は実際に従業員数10名以下の企業に就職した筆者が、少数精鋭の企業に就職するメリットやチェックポイントをご紹介します。
- 従業員の少ない企業のメリット
- 従業員の少ない企業はやめといた方がいいのか
- 従業員の少ない企業の面接時におけるポイント
全くの未経験からエンジニア転職へのまとめた記事をご用意しています!ぜひ参考にしてください

従業員の少ない企業の定義


そもそも従業員の少ない企業って、何名以下を指しますか?
従業員の少ない企業とは、一般的に10人以下の小規模な組織を指します。
法的には中小企業基本法において、製造業では従業員20人以下、小売業やサービス業では5人以下が「小規模企業者」として定義されています。
これらの企業は少数精鋭で運営されており、一人ひとりの役割が明確で重要度が高いのが特徴です。
大企業のような階層構造ではなく、フラットな組織体制を取ることが多く、意思決定のスピードが速いという面もあります。
IT業界においては、スタートアップやベンチャー企業の多くがこの規模に該当し、革新的な技術やサービスを生み出す原動力となっています。



特にIT業界ではベンチャー企業が多数存在します。
転職活動する際は、ベンチャー企業にも目を向けて見るとよいでしょう。
従業員の少ない企業はやめとけと言われる理由





でも従業員の少ない企業は「やめとけ」って言われることもありますよね。なぜですか?
従業員の少ない企業への転職に対して慎重な意見が多いのは、懸念があるためです。
- 一人に任される仕事量が多い
- 福利厚生や教育体制が整っていない場合がある
- 疑問点を質問出来る人が少ない
このように、主な理由として業務負担の重さやサポート体制の不備、相談相手の少なさが挙げられます。
この3つの理由について、次で詳しく説明します。
一人に任される仕事量が多い
従業員の少ない企業では、一人が担当する業務範囲が必然的に広くなります。
大企業のように専門分野に特化した働き方ではなく、複数の業務を同時に進める必要があるのです。
例えば、エンジニアであっても、開発以外に以下のような業務を兼務することがあります。
- 電話対応・顧客対応
- 新人教育・採用面接
- 雑用業務など
このように従業員の少ない企業は任される業務が多く、時には残業時間も増えてしまうケースも存在します。
福利厚生や教育体制が整っていない場合がある
小規模企業では、大企業のような充実した福利厚生や体系的な研修制度が整備されていないケースが多いです。
具体的には以下のような点で不安を感じる方がいらっしゃいます。
- 退職金制度や各種手当の不備
- 新人研修プログラムの不足
- 資格取得支援制度の欠如
- 育児休暇・産前産後休暇制度
特に設立年数が若いベンチャー企業やスタートアップ企業であれば、このような福利厚生の実績が無いケースも存在します。
質問出来る人が少ないから
従業員数が限られているため、技術的な質問や業務上の相談ができる相手が少ないという問題があります。
特に未経験エンジニアにとって、気軽に質問できる先輩の存在は重要です。
大企業であれば同じような経験を持つ先輩が複数いますが、小規模企業では限られた人数の中で解決策を見つける必要があります。
これにより、問題解決に時間がかかったり、一人で悩みを抱え込んでしまったりする可能性があるのです。
従業員の少ない企業のメリット





では、反対に従業員少ない企業に就職するメリットはありますか?
従業員の少ない企業には、大企業では得られない貴重な経験とメリットがあります。
- 早い段階から色々な業務をさせてもらえる
- 働き方が柔軟である
- 人間関係の構築がしやすい
このように、早期からの幅広い業務経験や柔軟な働き方、密接な人間関係の構築が主な利点です。
3つのメリットについて、次で詳しく説明します。
早い段階から色々な業務をさせてもらえる
小規模企業の最大のメリットは、入社早期から幅広い業務に携われることです。
大企業では数年かけて段階的に覚える業務を、短期間で経験できます。
例えば未経験エンジニアで転職した場合でも、以下のような業務の期待できます。
- 開発の全工程(要件定義から運用まで)を経験
- 顧客との直接コミュニケーション
- 経営会議の参加など



私は要件定義において、実際に打合せに同席させてもらった経験があります。大手企業であれば、体験できなかったであろうと思います。
このような多岐にわたる経験は、将来的に市場価値の高いエンジニアになるための重要な基盤となります。
特に、技術力だけでなくビジネス感覚も身につけられる点は、大企業では得難い経験です。
働き方が柔軟である
従業員の少ない企業では、個人の事情に合わせた柔軟な働き方が可能な場合が多いです。
複雑な社内規定に縛られることなく、成果を重視した評価を受けられます。
具体的な柔軟性の例として以下があります。
- リモートワークの導入しやすさ
- フレックスタイム制の活用
- 個人の裁量による業務調整
- 副業への理解
- 有給休暇の取得しやすさなど



筆者の企業はフレックスタイム制が無かったものの、申し出を出せば残業時間で調整することで、別日を早く退社できることも可能です。
これらは経営層との距離が近いからこそ実現できる環境といえます。
働き方改革が叫ばれる現代において、このような柔軟性は大きな魅力です。
実際に未経験から転職してすぐリモートワークって実現できるの?リモートワークについてまとめた記事もご用意しています!


人間関係の構築がしやすい
少人数の組織では、全員の顔と名前が分かり、密接なコミュニケーションが取れます。
大企業のような複雑な人間関係に悩むことなく、純粋に仕事に集中できる環境が整っています。
また、経営層との距離が近いため、自分の意見や提案が直接経営に反映される機会も多くあります。



筆者の企業は定期的に社長面談が実施されており、直接自分の意見や考えを伝えられる点はありがたいと感じています。
これにより、やりがいを感じながら働くことができるのです。
チームワークも良好になりやすく、困ったときにはお互いがサポートし合える関係性を築けます。
このような環境は、特に人間関係に不安を感じる方にとって大きなメリットとなるでしょう。
エンジニアこそコミュニケーションが大事!コミュニケーションが苦手と感じる方に向けた記事も用意しています!


従業員の少ない企業はやめておいたほうがよい?





結局従業員の少ない企業への転職は、やめておいた方がいいですか?
結論から申し上げると、従業員の少ない企業は未経験エンジニア転職において非常に有効な選択肢です。
特に早期のキャリアアップを目指す方にとって、大企業では体験できないことを早い段階で経験させてもらえます。
- 経営層との直接的な議論
- 事業戦略の立案への参画
- 新規事業の立ち上げ経験
- 顧客との直接的な関係構築
- 技術的な意思決定への関与
これらの経験は、将来的に独立や起業を考えている方にとって非常に価値のあるものです。
また、転職市場においても、このような幅広い経験を持つエンジニアは高く評価される傾向にあります。
確かに、安定性や福利厚生の面で大企業に劣る部分はありますが、それを補って余りあるスキルアップの機会があることは間違いありません。
特に20代から30代前半の方にとって、この時期の経験は今後のキャリア形成に大きな影響を与えるでしょう。



当初は私も従業員の少ない会社への入社に不安はありましたが、
今では入社してよかったなと感じています!
従業員の少ない企業の面接チェックポイント





では最後に、従業員の少ない企業へ面接するときに確認しておくべきポイントを知っておきたいです!
従業員の少ない企業の面接を受ける際、重要なポイントを確認しておく必要があります。
- 入社後の業務の流れを聞いておく
- キャリアパスを聞いておく
- 福利厚生について聞いておく
このように業務内容の詳細やキャリアパス、福利厚生について事前に把握しておくことが重要です。
これらのチェックポイントについて、次で詳しく説明します。
未経験エンジニア転職の面接って何聞かれるの?実際に聞かれた質問をまとめた記事もご用意しています!


入社後の業務の流れを聞いておく
面接時には、入社後の具体的な業務内容と流れを詳しく確認しましょう。
小規模企業では業務範囲が広いため、事前に把握しておくことで入社後のギャップを防げます。
以下の点を具体的に質問することをおすすめします。
- 1日の業務スケジュール例
- 担当予定のプロジェクト内容
- 使用する技術スタックや開発環境
- チーム内での役割分担
- 顧客との関わり方
これらの情報を事前に得ることで、自分のスキルや志向性とのマッチ度を判断できます。
キャリアパスを聞いておく
小規模企業だからこそ、キャリア形成について明確なビジョンを持っておくことが重要です。
面接時には以下の観点で質問してみましょう。
- 過去に在籍していた社員の成長事例
- スキルアップのための支援制度
- 昇進や昇格の基準
- 将来的な組織拡大の計画
- 外部研修や勉強会への参加機会
これらの情報により、その企業で自分がどのような成長を遂げられるかをイメージできます。
福利厚生について聞いておく
福利厚生制度について、遠慮せずに確認しておきましょう。小規模だからといって諦める必要はありません。
確認しておくべき項目は以下の通りです。
- 給与体系と昇給の仕組み
- 有給休暇の取得実績
- 残業代の支給について
- 健康保険や労災保険の加入状況
- 退職金制度の有無
ベンチャー企業やスタートアップ企業でしたら、例えば育休産休制度の実績が無い場合もしばしばあります。
しかし成長志向の強い企業であれば、従業員のライフステージに合わせた制度づくりに積極的に取り組んでくれる可能性が高いです。
したがってこれらの制度が整っていない場合でも、経営者の考え方や今後の整備予定について聞いておくと良いでしょう。
誠実に答えてくれる企業は、従業員を大切にする姿勢があると判断できます。
まとめ:従業員の少ない企業は穴場!
今回は従業員の少ない企業へ就職するメリットやチェックポイントをお伝えしました。
従業員の少ない企業は「やめとけ」と言われることもありますが、実は未経験エンジニアにとって大きなチャンスが潜んでいます。
一人当たりの業務量が多く、福利厚生が限定的なデメリットはありますが、早期から幅広い業務を経験でき、柔軟な働き方と密接な人間関係を築けるメリットがあります。
面接時は業務内容、キャリアパス、福利厚生をしっかり確認し、自分の成長ビジョンと合致するかを見極めることが重要でしょう。
今回の記事が、エンジニア転職に励んでいる方に参考にしていただけると幸いです。