エンジニア転職の面接では、技術的な質問だけでなく、動機に関する質問も非常に重要です。
特に未経験者の場合、技術スキルよりも人物面を重視する、いわゆるポテンシャル採用を取り入れている企業も少なくありません。
そのなかでも「エンジニアになりたい理由」は、必ず問われる質問です。
この質問の回答が、採用判断を大きく左右することがあり得るでしょう。
今回は、この「エンジニアになりたい理由」について深掘りし、効果的な回答方法を考えていきます。
未経験エンジニア転職の面接ってどんな質問がくる?実際に筆者が聞かれた質問内容をまとめた記事もあるので是非ご覧ください。

「エンジニアになりたい理由」を聞く意図


私も未経験エンジニアの転職活動中にこの質問はよく聞かれました。
この質問を聞く意図はなんでしょうか?
面接官がこの質問を通じて知りたいのは、以下のような点を評価したいからだと考えます。
- 本質的な興味・関心を知りたい
- 継続性を確認したい
- エンジニアとしての適性を確認したい
- 学習意欲があるのか確認したい
- ミスマッチ防止のため
まず面接官は、求職者に対してエンジニアの技術そのものに対する興味があるのか確認します。
そもそもIT知識やプログラミングについて興味がない場合、すぐに退職してしまうと考えるからです。
したがって、企業側は未経験エンジニアに対して長期的な視点を持っており、継続力があるのかチェックします。



即戦力だけ求めるのであれば経験者採用を重視します。
未経験者はすぐには結果は出ないけど、将来的に大きな生産性を上げてくれると企業は期待しているのです。
またIT業界ではわからない箇所にぶつかった時の論理的思考力や問題解決力が求められるので、この質問を通してそれらの適性をチェックしています。
そしてIT業界は常に新しい技術によって進化しているため、入社後も学び続ける姿勢を持っているかの確認も行うでしょう。
最後に求職者の入社後のギャップを防ぐためにも、職業に対する理解度を確認します。
「なぜエンジニアになりたいのか」という1つの質問に、これだけの意味が込められています。
したがって楽観的に考えるのではなく、ストーリー性を持って面接官に伝えることが重要です。
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エンジニアになりたい理由について必要なこと





この質問に、こんなにも意味が込められているんですね。
エンジニアになりたい理由を考えるのに必要なことってありますか?
ずばり、エンジニアになりたい理由で必要なのは、自身の根本的な理由を見つけ出すことです。
改めて「エンジニアになりたい理由」について考えるのは、非常に難しいと思います。
おそらくみなさんがエンジニアになりたい理由は、以下のような例が挙がるかと思います。
- リモートワークができるから
- 高収入が目指せそうな職種だから
- 時間や場所に捕らわれない、自由な働きが手に入りそうだから など
これらの理由を持つことは決して悪いことではありません。
しかし、言わずもがなですが、面接時にこれらの回答は不適切です。



例えば高収入が目指せると思ったからであると、それってエンジニアでなくても叶えられるのではないか?と企業側は考えるからです。
正直なエンジニア志望動機はひとまず自分のなかで留めておいて、本質的な回答を考えましょう。
エンジニアになりたい理由を回答するためのステップ





本質的な回答を伝えなければいけないことはわかりました。
ではその本質的な回答ってどう見つけ出したらいいのでしょうか?
ポイントは過去の自分に質問を問いかけてみることです。以下はそのステップになります。
各ステップについて、次で詳しく説明します。
自分自身と向き合う
まずはエンジニアになりたい理由について、単純に自分自身に問いかけてみましょう。
- エンジニアを目指したいと思ったきっかけは何か
- エンジニアのどの部分に魅力を感じたのか
- 前職と比べてエンジニアは何が違うと感じたのか など
この自問自答のプロセスが、説得力のある回答の土台になります。
具体的なきっかけを振り返る
次に、エンジニアになりたいと思った動機や魅力を感じたエピソードを思い出してみましょう。
例えば、以下のようなきっかけが挙げられます。
- 特定のサービスやアプリに感動した経験
- 自分で何かを作ってみて達成感を得た瞬間
- 職場や日常生活での課題をITで解決できると気づいた場面 など
このように具体的なエピソードがあると、回答に説得力と個性が生まれます。
現在の取り組みを整理する
エンジニアになりたいと思ったきっかけ、具体的なエピソードが洗い出せたら、それに向かって現在どのような学習や活動をしているかも重要なポイントです。
- 独学しているプログラミング言語や技術
- エンジニア転職目指すために通っているスクール
- エンジニアとして活躍するための資格勉強
- 参加しているコミュニティやイベント など
行動力は面接官に伝える最大のアピールポイントになります。現在の取り組みについてしっかり伝えられるようにしましょう。
将来のビジョンを明確にする
前述した通り、企業は求職者に長く働いてほしいと考えています。
したがってエンジニアになった後も重要視しているため、自身もどのようなキャリアを築いていきたいのかも考えておきましょう。
- 習得したい技術領域
- 関わりたいプロジェクト
- 実現したいサービスや解決したい課題
- 将来目指したい役職 など
将来のビジョンがあることで、一過性の興味ではないことをアピールできます。
エンジニアになりたい理由の回答を磨くポイント





エンジニアになりたい理由を考えるステップはわかりました!
このステップを考えるうえでのポイントはありますか?
「エンジニアになりたい理由」のストーリー性のある回答を出すには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- IT業界でしか叶えられない理由を付け足す
- 前職の経験を盛り込む
- 学習のプロセスは具体的に伝える
次で詳しく説明していきます。
IT業界でしか叶えられない理由を付け足す
前述した通り、エンジニアになりたいと思ったきっかけやエピソードが重要だとお話しました。
ここの部分についてですが、そのきっかけやエピソードが「IT業界でしか叶えられない」という点をフォーカスに当てておくことが重要です。
例えばエンジニアになりたいと思ったきっかけが、「モノづくりが好きだったから」としましょう。
しかしモノづくりが好きなだけなら、IT業界に限った話ではありません。モノづくりは他の業界でも沢山存在します。
そのなかでなぜIT業界に絞ったのか、この点が重要になります。



エンジニアになりたいと思ったきっかけは「なぜIT業界ではないとダメなのか」を念頭に考えることが重要ですね。
前職の経験を盛り込む
エンジニアになりたい理由のエピソードで、前職の経験を取り入れることも1つの方法です。
例えば以下のようなものがあります。
- 勤怠管理システムの導入により、タイムカードの管理が無くなって作業が楽になった
- 在庫管理システムを使用することで、作業効率化が感じられた
- 販売管理システムによって売上状況の可視化ができ、改善点が見つけやすくなった など



前職の経験を、エンジニアになりたいエピソードにつなげるとストーリー性がありますね。
前職のエピソードの後に、だからエンジニアになって開発したいと結びつけると、より具体性が増します。
学習プロセスは具体的に説明する
学習はどのように進めていたのか、現在はどのような学習をしているかなど、学習プロセスは具体的に説明すると説得力が増します。
例文①
Progateで基礎を学んだ後、Udemyの実践コースで応用力を身に付け、現在はGitHubでプロジェクト開発を進めています
例文②
スクールではRubyを学んでいましたが、同じアプリケーション開発に適しているPHPにも興味があるため、現在は書籍を参考にPHP学習に励んでいます



単に『学習している』だけの回答では説得力に欠けます。
具体的に伝えられるようにしておきましょう。
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エンジニアになりたい理由の例文





エンジニアになりたい理由の考え方、ポイントがわかりました!
でも実際に例文があるとありがたいなぁ…
ここでは「エンジニアになりたい理由」の例文を紹介します。
面接の質問回答に対しては、PREP法で伝えるとよいと言われています。
Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の4つの頭文字から取られた、相手に理解しやすいよう伝えるための文章構成です。
では、PREP法を意識して、エンジニアになりたい理由の例文を紹介します。
エンジニアになりたい理由例文①
私がエンジニアになりたい理由は、モノづくりが好きだった経験に基づいています。(結論)
昔から絵を描いたり曲を作ったりと、モノづくりに触れ合った経験があるので、モノづくりに関連する仕事に就きたいと思いました。(理由)
そのなかで今回IT業界に絞った理由は、前職で基幹システムを使用した経験から来ています。
業務効率化を実現させる基幹システムであったため、私もそのような人の役に立てるシステムの開発をしてみたいと思いました。(具体例)
そのためにはプログラミング学習が必要だと感じ、プログラミングスクールでの学習を終えて、現在は業務システム開発に必要なJavaの学習に励んでいます。(結論)



この例文は「自分の好き」や「前職」の経験を基に話しています。
ご自身の経験を、IT業界でしか叶えられない理由に紐づけるようにしましょう。
エンジニアになりたい理由例文②
私がエンジニアになりたいと思った理由は、アプリケーションの開発をしたいと思ったからです。(結論)
なぜアプリケーションの開発をしたいかというと、現在も活用している栄養管理アプリに感動を覚えた経験から来ています。(理由)
写真を撮っただけで料理のカロリーが判定できる栄養管理アプリは画期的だと感じ、私もこのような日常に役立つアプリケーションを開発してみたいと思いました。(具体例)
アプリケーションに使用されるプログラミング言語はPHPだと知り、現在はオンライン講座を活用して、PHPを使用したアプリ開発を行っています。(結論)



この例文は「日常生活」を基に話しています。
アプリ開発をしたい理由も、具体性を持って話すと、とてもわかりやすいですね。
エンジニアになりたい理由例文③
私がエンジニアになりたい理由は、ネットワークやサーバーに興味を持ったからです。(結論)
なぜ興味を持ったかというと、以前使用していたアプリの読み込みが遅かった時、その原因がネットワークやサーバーにあると知ったからです。(理由)
ネットワークやサーバーについて調べると、それらを扱う職種はインフラエンジニアであることを知りました。
更に深く調べるうちに、自分もインフラエンジニアになってサーバー構築の業務に携わりたいという思いが出てきました。(具体例)
価値のあるインフラエンジニアになるために、現在CCNAの資格取得を目指して勉学に励んでいます。(結論)



これはインフラエンジニアになりたい理由の例を挙げてみました。
希望する職種によって理由も変わってくるかもしれませんね。
NG回答例
NG回答例も1つ、提示しておきます。
「ITは今後も需要があり、給料も良いと聞いたので、エンジニアになろうと思いました。プログラミングスクールに通っているので、基礎は身についていると思います。」
この例文の問題点は、以下が挙げられます。
- 外発的な動機(給料、市場価値)しか述べられていない
- 技術や仕事自体への興味が感じられない
- 具体性がなく、個人的なエピソードがない
- 現在の取り組みが受動的



ストーリー性を持った「エンジニアになりたい理由」が必要ですね。
まとめ
今回は未経験からエンジニア転職でよく聞かれる「エンジニアになりたい理由」について深掘りした内容を紹介しました。
「エンジニアになりたい理由」は、自身の過去・現在・未来をつないだ、ストーリー性のある回答が重要です。
技術への純粋な興味、具体的な学習プロセス、そして明確な将来ビジョンを示すことができれば、未経験でも面接官の心を動かすことができます。
過去の自分に質問を投げかけ、エンジニアになりたい根本的な理由を見つけてみましょう。
この記事が、未経験からエンジニア転職を目指す方の参考になれば幸いです。