近年、IT業界の人材需要の高まりとともに、未経験からエンジニアへの転職を考える方が増えています。
その際によく疑問に挙がるのが「未経験からエンジニア転職に資格は取っておいたほうがよいのか?」です。
エンジニアに資格が必要なのか、必要でないのか以前からよく議題にあがるので、資格取得に悩む方も少なくないかと思われます。
今回は未経験からのエンジニア転職に資格は必要なのか、その疑問について解説していきます。
- 未経験からエンジニア転職における資格の必要性
- 転職を成功させるために資格以外にやっておくこと
- 取得しておいた方がよい資格一覧
未経験からエンジニア転職の際、面接で何聞かれるのか悩んだりしますよね。筆者が実際に聞かれた質問内容をまとめた記事も掲載しているので、よければご覧ください。

エンジニア転職に資格は必要?


エンジニア転職は資格が必要だとか、必要でないとか、色々な意見があってどちらが正しいか悩んでしまいます。
結論から言うと、エンジニア転職に資格は必須ではありませんが、職種によってはあったほうが良いとされる場合があります。
サーバー環境の構築やインフラ周りの知識が必要なインフラエンジニアは、資格を持っていると存分に活かせることができるでしょう。
一方システムやアプリ開発を行うWebエンジニアは、プログラミングスキルや開発能力が求められるため、資格よりも実力を重視される傾向があります。
また多くの企業では、「何ができるか」「どんな問題を解決できるか」が採用の決め手になることも少なくありません。
未経験を採用する企業が、資格より重視するポイントとして、以下の項目が挙げられます。
- プログラミングスキル
- ポートフォリオ
- 問題解決能力
- チームでの協力経験
- 学習意欲と成長性
未経験からの転職では自己学習によるプログラミングスキルの証明や、個人開発したポートフォリオが、資格以上に採用担当者の目に留まりやすいこともあります。



私も未経験からエンジニア転職しましたが、現在の会社は資格を重視していませんでした。
次で、企業が重視するポイントをもう少し詳しく説明します。
資格取得以外に行っておくべきこと





ではエンジニア転職を目指すのに、資格取得以外であれば具体的に何を行っておけばよいのでしょうか?
前の章で、企業が資格以外で重視するポイント5つを紹介しました。
5つのポイントをまとめると、未経験からエンジニア転職を目指す際、行っておくべきこと4点はこちらです。
- コーディング・プログラミングスキルを鍛える
- ポートフォリオの作成
- 技術トレンドのキャッチアップ
- コミュニケーション能力の向上
この4点の詳しい実践方法を、次で説明します。
コーディング・プログラミングスキル
資格取得の勉強だけでなく、実際にコードを書く経験を積んでおくことが重要です。
コードを書くうえで、重要なポイントは5つです。
- 読みやすさ(可読性)
- 保守性
- 再利用性
- 動作確認・テスト
- コメントや命名
コードは自分や他人が見て分かりやすいコードを書くことが1番重要です。
またコードは修正する場合も少なくないため、修正しやすく整理された構造にしておきましょう。
プログラムの処理は、色々な箇所で同じ処理を書くのではなく、関数やクラスを使用してまとめて書きます。
そしてデバッグを行いながら、正しい動作をしているのか、確認しながらコードを書いていきましょう。
ほかコメントや命名の記載も重要です。コメントも後で自分や他人が見てどのような処理を行うのか、コメントを見たら理解できるようにしておきます。
関数の命名は適当に付けるのではなく、どのような処理を行うのか意味のある名前にしておきましょう。
このようにして自分が書いたコードは「GitHub」に上げておくことをおすすめします。
GitHubはコードを保存・共有・管理できるWebサービスで、他人にコードを閲覧してもらえ、コードを前の状態に戻したいときも簡単に復元できます。
他人と共有できるサービスなので、企業はGitHubを一目で書いたコードのチェックができ、転職者のスキルを確認することができます。
したがって、GitHubは転職活動において重要なサービスと言ってもよいでしょう。



GitHubにコードをアップすることを「プッシュ」といいます。
プッシュするとプロフィール画面にあるマス目が緑色に変化することから、「草を生やす」ともいいます。
企業へのアピールにつながるので、定期的に草を生やすことを習慣にするとよいでしょう。
ポートフォリオの作成
未経験からエンジニア転職を目指すには、ポートフォリオは強力なアピール材料になります。
自分が作成したWebサイトやアプリケーションをポートフォリオとしてまとめることで、実際のスキルを視覚的にアピールできます。
ポートフォリオ作成で重要な点は以下3つです。
- どのような意図を持ってポートフォリオを作成したか
- 作成したポートフォリオの工夫した点や苦労した点など
- 完成したポートフォリオに追加機能を加えるとしたら何がしたいか
面接では作成したポートフォリオについて聞かれる場面も少なくありません。作って終わりではなく、作成したポートフォリオを存分にアピールできよう準備しておきましょう。



ポートフォリオは転職活動に必須だとよく聞きます!
でも未経験だし、1人で企業に提出できるクオリティーのポートフォリを作成できる自信が無いなぁ…
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3つのサポートを受けながら、最終的にはオリジナル性のあるポートフォリオ作成をし、エンジニア転職成功を目指します。
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③技術トレンドのキャッチアップ
IT業界は技術の進化が早いため、常に新しい技術やトレンドに関心を持ち、学び続ける姿勢が求められます。
面接の場においても、最新のITニュースの情報や、考えについて求められることもあるかもしれません。



最近ではやはり、生成AIの話題がつきませんね。
常に新しい情報を取得して、自分なりの考えをもっておくことが必要になりそうです。
技術ブログを読んだり、IT勉強会やコミュニティなどの参加を通じて、新しい情報をキャッチアップしておくこともおすすめです。
新しい情報をキャッチしておくことで、学習意欲や自走心を企業にアピールすることができるでしょう。
④コミュニケーション能力
エンジニアは単独で仕事をするイメージがありますが、実際には多くの場合チームで働きます。
したがって技術力だけでなく、コミュニケーション能力や協調性も求められるスキルです。日頃から職場の人間との関係構築を意識しておきましょう。
またコミュニケーションを通じて何を得たのか、何を成し遂げることができたのか、面接で伝えられるようにしておきましょう。



面接ではコミュニケーションについてはよく聞かれます。
事前に準備して、伝えられるようにしておきましょう。
「エンジニア転職に資格が必要」と言われる理由





そもそもなぜ、エンジニア転職に資格が必要という声を見かけることがあるのでしょうか?エンジニアになった後の取得でも大丈夫な気がしますが…
筆者はこの意見について、3点考えられることがあります。
- 採用条件として推奨されている場合があるから
- 職種によっては資格が重視されるから
- 資格を取得することで不安要素が取り除かれるから
この3点について、次で説明します。
採用条件として推奨されている場合があるから
一部のIT企業では、採用条件に資格取得を推奨していることがあります。
そうした資格重視の企業では、福利厚生に以下の項目が含まれていることも少なくありません。
- 資格取得で報奨金が貰える
- 資格取得で資格手当が貰える



給与関係が多いですね。スキル習得ができてお金が貰えるのであれば、資格取得を目指す方が増えると考える企業も少なくないのでしょう。
以上から、採用条件に記載されている場合も少なくないため、エンジニア転職に資格が必要ではないかと感じることが考えられます。
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職種によっては資格が重視されるから
前述しましたが、インフラエンジニアは資格を持っておいた方が有利である傾向があります。
理由はインフラエンジニアはシステムの監視やトラブル対応、問い合わせの業務に就くためです。
そうした業務はセキュリティやネットワーク関連の知識を持っていると業務に遂行できるため、資格を取得しておけば専門知識の証明として評価されると考えるからです。
資格を取得することで不安要素が取り除かれるから
未経験からエンジニア転職にはさまざまな不安がつきものです。
「具体的な目標として、資格取得をしておけば安心」という心理から、資格取得に挑戦する人もいるでしょう。
しかしやみくもに資格取得を目指してはいけません。
今後のキャリアを考えて何がしたいのか、どのようなエンジニアになりたいのか考えたうえで、それが叶えられる資格取得を目指すことが重要です。
資格が役立つ理由





資格推奨をしている企業も少なくないことが分かりました。
では資格が役立つシーンを知りたいです。
一方で、資格が全く必要ないかと問われるとそうではありません。特に未経験者にとって、資格は以下のような利点をもたらします。
- 知識の体系的な習得
- 客観的なスキルの証明
- 選考過程での差別化
- 学習意欲のアピール
資格取得のための勉強を通じて、IT・プログラミングの基礎知識を体系的に学ぶことができます。
また実務経験がない場合は、資格によって自分のスキルや知識を証明でき、企業にとっても応募者の技術レベルを判断する一つの指標となるでしょう。
転職活動時においては、未経験からエンジニア転職希望者が多数いるなかで、資格があると他の候補者との差別化になることがあります。
特に書類選考の段階であれば、選考通過率を高める効果が期待できるでしょう。
そして何より、資格取得に向けて努力したという事実は、学習意欲や向上心の高さをアピールすることにつながります。
エンジニアには継続的な学習が不可欠なため、この姿勢は企業からも高く評価されます。



資格を取得することで得られる利益もあるため、一概に必要ではないとは言えないですね。
エンジニア転職で役立つ資格





資格取得によるメリットを理解できてよかったです!
でもITの資格って種類が多すぎて、何を取得したらよいのか分かりません。
ここでは筆者が未経験からエンジニア転職で役立つ資格を紹介します。
- 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
- AWS認定資格(ベンダー資格)
- Java資格(プログラミング言語資格)
- Oracle Master(データベース資格)
次でこの4つの資格について、詳しく紹介します。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験は、初心者エンジニアが取得を目指す資格として知られています。
IT全般の基礎知識を問う資格であるため、まずは基本情報技術者試験を目指すとよいでしょう。多くの企業で評価される入門レベルの資格として人気があります。
基本情報技術者試験が合格できたら、さらにうえを目指して応用情報技術者試験の受講をおすすめします。
AWS認定資格(ベンダー資格)
クラウドサービスの普及に伴い、クラウド系の資格の価値も高まってきました。
数あるクラウド系の資格のなかで、特におすすめなのがAWS認定資格です。
AWSとはAmazonが提供するクラウドプラットフォーム「Amazon Web Service」の略称です。
1つのシステムを完成させるために多大な時間を要していた時代から、AWSを使用することでサーバー環境の構築・システムやアプリの開発などが簡潔にでき、大幅な時間短縮が可能になりました。
したがってAWSを導入している企業も益々増えており、それらの知識を取得している人材の価値も高まってきています。
よってベンダー系の資格に興味のある方は、AWSの資格取得にチャレンジしてみるとよいでしょう。
Java資格(プログラミング言語資格)
プログラミング言語の資格も多種多様に存在しています。そのなかでもおすすめなプログラミング言語資格は「Oracle認定Javaプログラマ」です。
Javaは主に企業の業務システムに使用されているプログラミング言語であり、活用しているシステム会社も少なくありません。
したがってプログラミング言語の認定資格を目指すのであれば、Java資格がよいです。
そのなかでもOracle認定Javaプログラマは認知度の高い資格であり、Bronze・Silver・Goldの3つのランクに分かれます。
Bronze が最も難易度が低い資格のため、まずはJava Bronzeの取得を目指すとよいでしょう。
しかし評価対象に当たるのはSilver・Goldになるため、着実に取得をこなしていくことが必要です。
Oracle Master(データベース資格)
データベースとは、さまざまなデータ・情報を保存しておく場所のようなものです。
システムやアプリ開発において、多大な情報を保存しておくデータベースの活用は、必須に近い存在と言ってもよいでしょう。
したがってデータベース関連の資格も実務で役立つものとして評価されます。
なかでもOracle Masterは世界でもトップシェアを誇るOracle Databaseに関する資格なので、取得しておけば活かせる場面も多くなるでしょう。
このように、ITに関する資格はたくさんあり、学習するには詳しく書かれた書籍や問題集の活用がかかせません。
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まとめ:未経験からのエンジニア転職、資格はプラスアルファと考えよう
今回は未経験からエンジニア転職において、資格の必要性についてお話しました。
未経験からエンジニアへの転職において、資格は必須ではありませんが、一定のメリットがあることは事実です。
それを踏まえて、エンジニア転職におけるポイントを覚えておきましょう。
- 実践的なコーディング経験を積むことが大切
- 実践的なスキルやポートフォリオが重視される場合がある
- 資格は知識の体系的習得や差別化に役立つ
- 職種によっては資格が重要視される場合がある
エンジニア転職の成功は資格取得だけに頼るのではなく、実践的なスキルアップ・ポートフォリオ作成・技術トレンドへの関心・コミュニケーション能力の向上など、多角的なアプローチが重要です。
資格はあくまで「プラスアルファ」と考え、バランスの取れた転職活動を心がけましょう。
未経験からエンジニアになりたいけど資格取得を迷っている方々が、この記事を読むことで少しでもお役に立てれば幸いです。