みなさんWebサイトを開発するなら、フレームワークを活用したらよいと聞いたことはありませんか?
Webサイトを開発するなら、フレームワークの利用は必須といえるでしょう。
特にPHPのフレームワークであるLaravelは多くの開発者に支持されており、人気のフレームワークです。
したがって、Webエンジニアとして活躍したいとお考えの方は、Laravelを学ぶべきともいえるでしょう。
しかし、初心者はLaravelが実際には何ができるのか、特徴やメリット、また学習方法はどうしたらいいのか気になるところです。
したがって今回は、現在Laravelを用いてシステム開発を行っている私が初心者の方に向けて、Laravelでできることや学習方法をご紹介します。
- フレームワークの概念やLaravelについて
- Laravelの特徴やメリット
- Laravelを習得するためのロードマップ
- Laravelの学習方法
そもそもフレームワークとは?

フレームワークとは、ソフトウェア開発を効率化するための再利用可能な設計図や部品集のようなものです。
具体的には、共通の処理や機能をまとめた土台であり、開発者はこの土台の上に独自の機能を追加していくことでアプリケーションを構築します。
例えばみなさんはチョコレートを作ると考えてください。
チョコレートを1から作るとなると、原料のカカオが必要になります。カカオをローストして磨砕して砂糖を加え…と、いくつもの段階を踏んでようやく私たちが食べている普段のチョコレートが完成します。
これがプログラミングでいうスクラッチ開発です。スクラッチ開発とは初めからシステムを開発する手法をいいます。
しかし、みなさんチョコレートをはじめから作る方は、ほとんどいないのではないでしょうか。きれいに形成された、美味しいチョコレートを購入するかと思います。
これがフレームワークです。フレームワークは開発者が欲しいと思う機能がはじめからすべて入っています。
そして購入したチョコレートを使用して、自分好みのクッキーやケーキを作っていくように、フレームワークも独自の機能を追加してシステムを開発していきます。
フレームワークは、PHPのLaravel以外にもたくさん存在します。
- Django(Python)
- Ruby on Rails(Ruby)
- Spring Boot(Java)
開発者はこれらの機能を活用しながら、アプリケーションの独自性を表現するコードを書いていきます。

フレームワークを利用することで開発が時短になります。システム開発において必須といっても過言ではないでしょう。
PHPのフレームワークLaravelとは?


Laravelとは、PHPで書かれたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。
2011年にTaylor Otwellによって作成され、人気のあるフレームワークの一つです。
MVCモデルに基づいており、エレガントな構文と豊富な機能を提供することで、PHPの開発をより簡単かつ効率的にすることを目指しています。
ソフトウェア開発で広く使われる設計パターンで、3つの主要な要素に分割。
「Model(モデル)」「View(ビュー)」「Controller(コントローラー)」の頭文字をとってMVCと呼ばれています。
- Model(モデル):データベースとの連携をする役割
- View(ビュー):ブラウザに表示する画面を作成する役割
- Controller(コントローラー):ユーザーとのやり取りや、ViewやModelの受け渡しをする役割
「開発者に優しい」というコンセプトのもと、コーディングの楽しさを大切にするフレームワークとして知られています。



MVCモデルはLaravel以外のフレームワークでも採用されています。
よく出てくるのでしっかり理解しておきましょう。
Laravelの特徴やメリット





色んなフレームワークが存在しますが、Laravelが持つ特徴やメリットが気になります。
まずLaravelの特徴は、以下の項目です。
- 初心者でも理解しやすい構文である
- コマンドで作業することができる
- 自動入力チェックができる
- Composerに対応している
一方Laravelを使うメリットは、以下の項目です。
- 開発速度の向上
- セキュリティの強化
- コミュニティのサポート
次で詳しく説明します。
Laravelの特徴
Laravelの構文は読みやすく、簡潔なコードで記述できます。Laravelを構成するPHPも特徴がシンプルな構文なのもあり、Laravelも同様コーディングのしやすさが特徴です。
簡単なLaravelのコードを以下に記載します。
$customer = Customer::find(1); //Customerテーブルからid1の情報を取得
これはCustomerというテーブルから、id1の情報を取得する、というコードです。
このようにLaravelは短いコードで欲しい情報を取得することが可能です。
またLaravelはコマンドを使っての作業ができます。Laravelには「Artisan」という専用のコマンドもあります。
コマンドとはコンピューターに指示する命令のことをいい、コマンドを打つだけでコントローラーやサーバーの操作が可能なため、コマンドを使うことで作業効率を上げることが可能です。
さらに、Laravelは自動入力チェックが可能です。入力チェックとはユーザーが間違って入力していないか確認する操作のことをいい、プログラミング業界では「バリデーション」と呼びます。
通常バリデーションは自分でコードを記載していかなければいけませんが、Laravelを使用することで簡単に実装することができます。
そしてLaravelはComposerに対応しています。ComposerとはLaravelのパッケージ管理システムです。Composerを利用することで必要なライブラリを自動的にインストールしてくれます。



まとめるとLaravelを使用することで、本来1からやらなければいけないことを、簡単に成し遂げてくれます。
Laravelを使うメリット
Laravelを使うメリットは、まずは開発速度の向上でしょう。
特徴でもお伝えしたとおり、Laravelはシンプルな構文に加えコマンドの操作、自動入力チェックなど便利な機能が豊富です。
したがって開発速度が上がり、効率化が見込まれます。
加えてLaravelはセキュリティ機能も豊富です。第三者に悪用されないためにも、アプリやシステムの開発にセキュリティ対策は欠かせません。
Laravelを使用することで、機能やセキュリティが万全で品質の良いものを開発することができます。
そしてLaravelはコミュニティサポートも充実しています。
Laravelは公式ドキュメントが日本語対応しているため、分からない箇所が出ても検索したら答えを見つけることができます。



英語が苦手な方でも、安心して調べることができますね。
このようにLaravelを使うメリットはたくさんあるので、初心者でも安心して学習をスタートさせることができます。
Laravelは何ができる?





では、具体的にLaravelを活用すると何ができるのでしょうか?
Laravelを活用すると、以下のものが開発できます。
- ショッピングサイトや予約サイトといったWebサイト
- 顧客管理や勤怠管理システムなどの業務システム
- XやInstagramなどのSNSサービス
- 口コミや掲示板サイト、ブログサービス
このようにLaravelを活用すると、みなさんが普段使用しているWebサイトやSNSサービス、口コミサイトから企業が使うシステムまで幅広い開発が可能です。
Laravelを使用することで、みなさんもよく見られるお問い合わせフォームや検索機能もスムーズに作成することができます。



Webエンジニアになりたいとお考えの方は、まさにLaravelを習得すると重宝されるでしょう。
Laravelを習得する学習ロードマップ





Laravelを使って開発してみたいけど、手順が分からない。
どうすればいいんだろう?
作業効率が高められてセキュリティに強いLaravelですが、習得するまでいくつか段階があります。
ここではLaravelを習得するための学習ロードマップを、以下に記載しました。
学習するにあたって環境が整っていなかったら始まることができないので、開発環境の構築が必要です。
まずは開発に必要なテキストエディタをインストールします。使いやすく、代表的なもので「Visual Studio Code」がおすすめです。
その後はいよいよ開発環境のセットアップですが、データベースやプログラミング言語など1つずつインストールするのは時間もかかるうえ、初心者は難易度が高く感じるでしょう。
そこでおすすめなのは「xampp」のインストールです。xamppは開発に必要なソフトウェアパッケージです。
xamppをインストールするだけで、プログラミング言語のPHPやデータベースのMySQLが入っているので、個々のインストールは不要です。
とりあえずはVisual Studio Codeとxamppをインストールしておけば問題ないでしょう。
以下より、インストールをしてみてください。
Laravelを学習する前に、Laravelを構成するプログラミング言語のPHPの習得が必要です。
PHPの基本構文や配列や関数、オブジェクト指向について知識を習得しましょう。
またPHPはフロントエンド開発に必要なHTMLやJavaScriptとの併用が可能なので、それらの習得も必要です。
その他PHPはデータベースとの連携もできるので、データベース言語であるSQLの理解も必要です。
このようにLaravelに入る前に習得しなければいけない知識がたくさんあります。
特にLaravelを構成するPHPは、しっかりと知識をいれておきましょう。


まずはLaravelのセットアップです。Laravelやパッケージ管理システムであるComposerのインストールが必要です。
Laravelのセットアップについては、こちらを参照ください。
セットアップが完了したら、まずはLaravelのディレクトリ(フォルダのことを指す)を理解しましょう。
Laravelをインストールするとたくさんのディレクトリが入ってきます。どのディレクトリが何の役割を果たしているのかの理解が必要です。
そしてLaravelの基本構文やMVCモデルの理解、Laravel特有のデータベースの操作について学習をしていきます。
Laravelの基本的な知識を習得できたら、応用的な機能についても学ぶとなおよいでしょう。
Laravelを活用すればログイン認証やファイル操作、また入力チェックをしてくれるバリデーションも可能です。
応用的な機能を学ぶことで、セキュリティの高く、より品質のよいアプリケーションの開発が可能になります。
インプット学習だけでは理解するのも難しいでしょう。
ある程度の知識が習得できたら、実際にアプリ開発をしながらLaravelの知識を深めていきます。
まずは簡単なアプリ開発に挑戦するとよいです。スケジュール管理を行うTo doリストアプリや、レビューサイトを作成してみると良いでしょう。
クオリティーの高いアプリが開発できれば、ポートフォリオとして活用することもできます。
このように、Laravelを習得するまでには多くの段階があるため、時間はかかります。



1つ1つ理解しながら学習に進んでいきましょう。
Laravelの学習方法





Laravelの特徴やメリット、学習ロードマップまでよくわかりました!
でも、実際にどのように学習していけばよいでしょうか?
Laravelの学習方法は、定番ですが以下3つの方法が挙げられます。
- 書籍を使っての学習
- 学習サービスの利用
- プログラミングスクールの受講
コストを抑えて学習したいのであれば、書籍を使っての学習が適しているでしょう。今や本屋に行けばプログラミングに関する書籍も多く販売されています。
その他学習サービスも多数出てきています。学習サービスは基本オンライン上で受講可能なコースも少なくないので、自宅にいながら好きな時間に学習できます。
また、本気でLaravelを習得したいとお考えの方は、学習サポートが豊富なプログラミングスクールの受講もよいでしょう。
次で詳しく紹介します。
書籍を使って学習する
今やLaravelに関する書籍もたくさん販売されています。まったくの初心者であれば入門編の書籍を、慣れてきたら応用学習が可能な書籍がよいでしょう。
開発しながらの学習がインプットとアウトプットを効率よく進められるので、手を動かしながらLaravelを学べる書籍をおすすめします。
現在私もLaravelを使ったシステム開発を行っていますが、開発当初は以下の「Laravelの教科書」を参考に学習していました。
よろしければぜひチェックしてみてください。
学習サービスを利用する
書籍よりはコストはかかりますが、自宅にいながら基礎的な学習から応用的な学習まで、幅広い学べる学習サービスがあります。
代表的な学習サービスは、以下のものがあります。



ほか代表的な学習サービスにProgateがありますが、Laravelコースは無さそうでした。
学習サービスも入門編から開発手法を学べる応用学習まで幅広く取り扱っています。
書籍だと文字が多くて難しい、とお考えの方は手を動かしながら動画で学べる、学習サービスを利用してみてはいかがでしょうか。



調べてみると色々なコースがあるみたいです。自分が気になるコースをチェックしてみてくださいね。
プログラミングスクールを受講する
本格的にLaravelを習得したいとお考えの方は、思い切ってプログラミングスクールの受講をおすすめします。
プログラミングスクールはプロのエンジニアが分からない箇所を教えてくれるため、分からない箇所を分からないままで終わってしまうという心配がありません。
また最終的にはポートフォリオの作成ができるので、転職活動にも活用することができます。
Laravelが学習できるプログラミングスクールを調べたところ、以下2つのスクールが見られました。
どちらのプログラミングスクールもPHP/Laravelコースがあり、PHPとLaravelの学習が可能です。ほかにもHTML/CSSやデータベースの学習も可能なので学べる知識も豊富です。



しかし、どちらも転職サポートは付いていなさそうなので、注意してくださいね。
本気でLaravelを習得し、ゆくゆくはLaravelで活躍できるエンジニアになりたいとお考えの方はぜひチェックしてみてください。
まとめ:WebエンジニアになりたいならLaravelがおすすめ
今回はPHPのフレームワークLaravelとは何か、できることや学習方法をお伝えしました。
フレームワークを使用することで、開発速度が格段に上がり、効率化を目指して開発ができます。
そのなかでもLaravelはPHPの開発を効率化してアプリケーション構築を可能にする、強力なフレームワークです。
Laravelは定期的にバージョンアップが行われ改善されているので、PHPの開発者にとって非常に価値のあるスキルセットとなるでしょう。



ちなみにLaravelの最新バージョンは11となっています。
Webエンジニアを目指したい、フレームワークに挑戦したいとお考えの方は、ぜひLaravelの学習に挑戦してみてください。